季節だより
プールの季節ですね。たいていの学校では6月にプール開きになります。プールと耳鼻科の病気はとても関係があります。
今回、耳の病気を取り上げてみました。
耳のしくみと働き
耳は外耳、中耳、内耳の3つの部屋に分かれます。
外耳は、耳介と外耳道から成り立っています。外耳道のつきあたりには、厚さ0.1mmの鼓膜があります。中耳には、3つの小さな骨(耳小骨)があり、鼓膜と内耳を連絡しています。この部屋から耳管という細い管がのどにつながっています。内耳には、音を感じとる鍋牛と平衡感覚をつかさどる前庭と三半規管があります。
外耳道炎
外耳道に細菌が感染し炎症を起こす病気です。とても耳が痛くなります。
<原因>
プールやお風呂上りに耳をいじる方や毎日耳掃除をやる方がなりやすいです。そういう方は外耳道を傷つけ、そこから細菌が感染して炎症を起こします。また、海水浴やプールに行って雑菌が外耳道に入って炎症を起こす場合もあります。詳しくはこちら>
急性中耳炎
風邪のときやプールで鼻やのどに炎症を起こした細菌が耳管を通って中耳に侵入し、中耳に炎症を起こす病気です。とても耳が痛くなります。一般に外耳道から水が入って中耳炎になることはありません。急性中耳炎は大人に起こることは少なく、子どもに多い病気です。
<なぜ子どもに起こりやすい?>
子どもは大人に比べて体の抵抗力が弱いうえに、子どもの耳管は太くて短くて鼻から耳への角度がゆるいため、細菌が鼻やのどから中耳へ入りやすいのです。それに対して、大人の耳管は細く長くて鼻から耳への角度がきついため、細菌が鼻やのどから中耳へ入りにくいのです。
治療によって耳の痛みは2日~3日でなくなりますが、急性中耳炎が治ったわけではありません。いぜん鼓膜には発赤(赤み)を認め、中耳には炎症が残っています。なかには中耳に水がたまり聞こえにくくなる滲出性中耳炎や耳ダレを繰り返す慢性中耳炎に移行することがありますので、しっかり治療しましょう。詳しくはこちら>